円安、資産移転を考える時代【2】
金利差とは別にもうひとつの問題、
それは今の日本の借金にあります。
日本が借金を大きく抱え込み、
それを国債で賄っている状況は既に世界にも知れ渡っております。
以前であれば各国と金利差が開いても、
日本も続いて利上げするかもしれないと警戒されたため、
ドル円が大きく動くことはありませんでした。
しかし、
今の日本はもう利上げができないと読まれ、
海外勢から簡単に売られる通貨となっています。
日本が利上げをすれば、国債の利息が跳ね上がり、
税収で払いきれなくなるため、
利上げに踏み込めないと思われているからです。
海外の機関投資家は各国の情勢に敏感なため、
国民よりも今の日本経済の状況を把握しているでしょう。
夏頃にも海外の機関投資家が日本国債を売り続け、
日銀がそれを買い続ける戦いが裏で行われていました。
国がいくら借金を作っても国債で賄う体制は、
このような形でツケが回ってきたわけです。
そういうわけで今の日本円は、
非常に価格が振れやすい通貨となっています。